◆最新更新日:2024年11月18日
一般財団法人光線研究所より発刊される、機関紙「光線研究所」より光線治療器(コウケントー)を用いた可視総合光線療法についての情報を発信していきます。
人体にとって、太陽光は不可欠なものです。しかし、現代においては、生活・勤労形態の変化、異常気象、オゾン層の破壊などにより、健康な人であっても十分な太陽光を安全に浴びることは難しくなっています。また、病人の場合、入院治療や自宅療養ではやはり太陽光から遠ざかる生活が多くなりがちです。そこで必要になるのが、季節、天候、時間、場所を問わず安定的に得られてしかも安全な太陽光に代わる光線です。
可視総合光線療法の光線は、太陽光と同じように紫外線・可視線・赤外線の3種類の光を含む連続スペクトルであり、人工太陽とも呼べる光線です。したがって、太陽光と同じ作用が得られ、人体にとっていちばん自然であり、また人体に適合する人工光線といえます。
可視総合光線は、問題になっている短波長の有害紫外線は含んでいませんし、紫外線量も太陽光に比べて微量です。したがって、照射時間が長くなっても、生体に悪影響を及ぼすことはありません。十分に太陽光を得られない現代人にとって、可視総合光線療法は、健康維持や疾病治療に大きく寄与するものであるといえます。
参考文献 : 『別冊 可視総合光線療法 理論と治験』より
可視総合光線の中の紫外線は皮膚内の物質に作用し、生体内にさまざまな新しい物質を産生する作用がある。ビタミンDなど産生された物質は全身の生理機能を調整する。
可視総合光線療法は、生体への浸透力の大きな長波長の可視線(赤色)と短波長の赤外線(近赤外線)の作用により、光線照射局所に充血を起こして血流を増加させ、患部の血行を改善する。
可視総合光線の中の可視線は眼球を通過して網膜に届き、その刺激は視神経を介して脳神経系に達し、脳の中心付近にある松果体に作用して、松果体ホルモン(メラトニン)の分泌を調節する。メラトニンは脳下垂体に作用し、生体リズム、体の成熟、性腺の周期的活動、血圧調節、免疫機能、抗酸化作用など、多くの機能に関与する。
可視総合法線療法は、深部温熱作用により患部の血流を改善し、プロスタグランジン、ヒスタミン、ブラジキニンなどの発痛物質を速やかに除去し、痛みの原因を改善して、鎮痛作用を発揮する。また、痛みの調節機構を刺激して、痛みの閾値(反応を起こす最低の刺激量レベル)を上げる作用によっても鎮痛効果をもたらす。
可視総合光線療法は、ビタミンD、カルシウム代謝を介する免疫調節機能がある。皮膚で産生されたビタミンDには、からだが持っている天然の抗生物質を増やす作用がある。多くの原因不明の疾患には免疫異常が関与しており、光線による免疫調節作用の応用範囲は広い。
可視総合光線療法には鎮痛効果と同時に、強い抗炎症作用がある。
可視総合光線療法は、創傷部(負傷部位)の血行改善とともに創傷部の治癒過程を速やかに進め、種々の細胞を呼び寄せて強靭な肉芽の形成を促進して、創傷の回復を早める。
可視総合光線の中の紫外線の殺菌作用に加えて、可視総合光線が白血球の遊走能、食菌能を強化することから、紫外線の届かない深部の細菌感染症の治療、予防にも有効である。
可視総合光線療法は、血行改善と自律神経(生体リズム)、内分泌、松果体ホルモンの働きを調整し、自然な眠りをもたらす。
可視総合光線療法は、皮膚、内臓の血行改善とヒスタミンなどの光産生物質の作用により、消化管の働きを活発にして、食欲を増進し、便通を良好にする。
可視総合光線療法は、肝臓、腎臓、免疫の機能を活性化し、解毒作用を高める。とくに可視(青色領域)光線は、血中に増加した脂溶性(油に溶けやすい)ビリルビンを水溶性(水に溶けやすい)ビリルビンへ変化させる作用があり、病院などでは青色灯による新生児重症黄疸にも利用されている。
可視総合光線療法は、脂質代謝を改善し、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがある。
可視総合光線療法は、皮膚病によるかゆみだけでなく、種々の疾患によるかゆみに有効である。
可視総合光線療法は、新陳代謝を盛んにし、血行と腎機能を改善することで尿量を増やす効果がある。
可視総合光線療法は、自律神経系、ビタミンD産生を介して、副腎皮質ホルモン分泌を促進し、筋力や運動能を向上させる。
可視総合光線療法は、血液循環調節作用と去痰作用により、呼吸機能を改善させる。
可視総合光線療法は、光化学作用と温熱作用により、神経機能を改善させる。
参考文献 : 『可視総合光線療法 実践治療 報告集』より
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