女性 84歳 152cm 52kg
◆症状の経過
8年前に階段で転倒、右大腿骨骨折で人工骨頭置換術を受けて以来、足がむくみやすくなった。また、2年前に尻もちをつき腰背部2カ所を圧迫骨折、以来肩甲骨の下辺りから背中の中央にかけ痛みが継続。天気の悪い日には、安静時にも激しい痛みがある。背中が丸くなり受傷後からは仰向けで寝ることができなくなった。骨粗鬆症で毎週1回の注射を2年間受け、現在は半年に1回の注射と1日1回の服薬を続けている。要支援2の状態で週1回リハビリに通っている。光線治療は、友人の紹介で6年前から自宅で行っていたが圧迫骨折後痛みが続いたため、楽になればと当附属診療所を受診した。
◆光線治療
◆治療の経過
初回治療後、腰や背中の痛みがかなり楽になり驚いた。4台での治療の効果を実感し、週2回の通院を開始。約2カ月後は、腰の痛みが改善し、当初の倍以上歩けるようになった。その後冬場の寒い時期でも割と調子良く安心していたが、突然、背中が激しく痛み、かがむことができなくなった。病院の精密検査で胸椎8番の圧迫骨折と診断された。数日間、軽い運動をした覚えはあるが、原因は不明であった。入院も勧められたが、1カ月間自宅で安静にすることになり、トイレに行くのも大変だった。多少動けるようになり、当所へ週1回の通院を再開した。靴下を履くのも辛かったが、通院再開後、1カ月で痛みが大分緩和し、仰向けで寝ることも可能となり、2カ月後には鎮痛剤も不要になった。1年後、当所で測定した骨密度が以前より増え、背中や腰、右股関節の状態も良好で友人と旅行に行くことができた。体調維持のため光線治療を継続する予定である。
令和3年10月1日 機関紙「光線研究」より